2016-06-01から1ヶ月間の記事一覧
消え去る気配のない雲と降り止まない様子の雨 トマス・ハーディ(河野一郎訳)『呪われた腕 ハーディ傑作選』新潮文庫(村上柴田翻訳堂)。本書は19世紀イギリスの詩人で小説家トマス・ハーディの短編から8編を収めたもの。この短編集の多くが、運命のすれ違…
読んでいて「いいなあ」と感じることのできる短編集 ウィリアム・サローヤン(柴田元幸訳)『僕の名はアラム』新潮文庫(村上柴田翻訳堂)に収められている14の短編はすべて、9歳のアラムという名の少年が主人公。子どもの目から見ると、世界には悪など存在…
気の触れた夏のできごと カーソン・マッカラーズ(村上春樹訳)『結婚式のメンバー』新潮文庫(村上柴田翻訳堂)。『結婚式のメンバー』は、フランキー・アダムスという名の12歳の少女の「緑色をした気の触れた夏のできごと」を描いた長編小説。フランキーは…