誤読と曲解の読書日記

読書の感想を書く日記です。あと、文具についても時々。

【お礼とご報告】ほしい物リストから本が届きました

ほしい物リストから本が届きました

このブログで公開しております「ほしい物リスト」から、本が届きました。
Amazonほしい物リストの性質上、どなた様が送られてきたのか、こちらからはわかりませんので、この場を借りて、厚く御礼を申し上げます。
ありがとうございました。

届いた本は、小川洋子河合隼雄『生きるとは、自分の物語をつくること』新潮文庫

取り急ぎ、ご報告でした。

『誤読と曲解の読書日記』管理人:のび



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わたしたちの意思が適切に反映されるための方策を探る一冊/坂井豊貴『多数決を疑う 社会的選択理論とは何か』岩波新書

わたしたちの意思が適切に反映されるための方策を探る一冊/坂井豊貴『多数決を疑う 社会的選択理論とは何か』岩波新書:目次

  • 人々の意思をよりよく集約できる選び方を探る
  • 多数決なるものが、絶対的に正しいものではない
  • 多数決に正当性を与えるために
  • 憲法改正についての多数決
  • 民主主義に必要なコスト
  • 参考リンク

人々の意思をよりよく集約できる選び方を探る

坂井豊貴『多数決を疑う 社会的選択理論とは何か』岩波新書

本書はタイトルのとおり、まず「多数決を疑う」ことを目的としている。わたしたち有権者は、選挙などに多数決が採用され、その結果にとりあえず従うのが正しいと自明のこととして受け入れてはいるが、その多数決の意見が本当に多数の意見を反映しているのだろうか、という疑問が本書の出発点である。

「自分たちのことを自分たちで決めるためには、どうすればいいのか。これは思想的な問題であると同時に、技術的な問題である」(本書はじめにp-viii)との立場から、本書は社会的選択理論を用いて多数決を精査し、人々の意思をよりよく集約できる選び方(集約ルール)の代替案を探っていく。

第1章「多数決からの脱却」では、「そもそも多数決で、多数派の意見は常に尊重されるのだろうか」(本書p6)との疑問を提示する。この章では、はじめに2000年のアメリカ大統領選挙の例を取り、「多数決」によって「多数派」(ここでは「少数派」ではないことに注意)の意見が、常に尊重されるわけでもないことを提示する。

たとえば、2000年のアメリカ大統領選挙においては、事前の世論調査では民主党アル・ゴア氏が有利との結果が出ていた。しかし、第三の候補としてラルフ・ネーダー氏が立候補すると、ゴア氏と主張が重なったネーダー氏がゴア氏の票を奪い、結果として共和党ジョージ・W・ブッシュ氏が大統領に当選した。

このアメリカ大統領選挙の例からわかることは、たとえ多数派の人々であっても、多数決は有権者が「自分たちの意思を細かく表明できない・適切に反映してくれない」(本書p10)という無力感を生み出す場合があることを、この例では示すのだ。

去年(2016年)のアメリカ大統領選挙でも、得票数ではヒラリー・クリントン氏の得票の方が、ドナルド・トランプ氏よりも多くても、(選挙人制度という制度的な理由もあって)トランプ氏が当選したことは、わたしたちの記憶に新しいところだ。


※以下、ネタバレ的な要素が含まれています。

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果たしてこれが「家飲み」と言えるのか/今週のお題:家飲み

果たしてこれが「家飲み」と言えるのか/今週のお題「家飲み」:目次

  • 結果的に「家飲み」
  • 「冷やし甘酒」と過ごす日曜日の午後
  • 果たしてこれが「家飲み」と言えるのか
  • 参考リンク

※この記事は、はてなブログの「今週のお題」に参加するものです。

結果的に「家飲み」

はてなブログ今週のお題のテーマは「家飲み」。

そもそも、わたしはアルコール類はいっさい口にしないし、飲み会も必要最低限のものしか出席しない。だから、家でアルコール類を摂取することもなく、当然ながら「家飲み」などしないので、今週のお題のテーマ「家飲み」は、スルーするつもりでいました。

(ところで、わたしはまったくお酒類を飲んだことないというわけではなく、若い頃はそれなりに飲んでいたし、飲み会にも出席し、家飲みもしていたんですが、あるときを境にまったく飲まなくなってしまったのです)

ところがですね、この日曜日、結果的に「家飲み」と言える状態になってしまったので、その顛末を書くことにします。

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【お礼とご報告】ほしい物リストから本が届きました

ほしい物リストから本が届きました

このブログで公開しております「ほしい物リスト」から、本が届きました。
どなた様が送られてきたのかはわかりませんが、この場を借りて、厚く御礼を申し上げます。
ありがとうございました。

届いた本は、堀内一史『アメリカと宗教 保守化と政治化のゆくえ』中公新書

取り急ぎ、ご報告でした。

『誤読と曲解の読書日記』管理人:のび

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あるいは沼という名の所有欲/2017年5月のまとめ

『誤読と曲解の読書日記』/2017年5月のまとめ:目次

  • あるいは沼という名の所有欲
  • 『誤読と曲解の読書日記』今月のまとめ
  • 『誤読と曲解の映画日記』今月のまとめ
  • 管理人からのお知らせ:Amazonほしい物リスト

あるいは沼という名の所有欲

世の中には、趣味の世界で「沼」が多数、報告されています。カメラ好きなら「レンズ沼」、万年筆好きなら「万年筆沼」や「インク沼」など、要はその趣味に関係するものをたくさんそろえることを「沼」と表現するようです。趣味に関するたくさんのものを集めて、「所有欲」を果てしなく満たし続けることを「沼」と表現していると言えるかもしれません。

「あるいは沼という名の所有欲」といったところでしょうか。もちろん、所有欲を満たすためだけに沼にはまり込んでいるわけでもなさそうですが、ある意味では、多くの趣味の世界では「所有欲」が、「沼」の中の大きな割合を占めそうです。

今週のお題というわけではないんですが(この記事は、はてなブログの「今週のお題」に参加したものではありません)、そういえば、読書にはまることを「読書沼」と、あまり言わないな、ということに気づきました。まあ、そもそも「読書家」という言葉や「活字中毒」なる言葉もあるので、今さらわざわざ「沼」とは言わなくても、ということなのでしょうか。

どちらかというと、「沼」というよりは、積み上げた本が「山」になり、時には「雪崩」を起こすことがあるので、「沼」という言葉からは、ちょっとかけ離れた世界なのかなとは思います。だから何だという話ですが。まあ、「読書沼」という言葉が、世の中で使われていないわけではないだろうし、それはそれでいいんですが、やっぱり読書というと「沼」っぽくはないなあという話です。

レンズや万年筆やインクはたしかに「沼」っぽい。けれど、本に関しては、あまり「沼」という言葉はしっくりこない、ということです。それはいったいなぜなのだろう。物理的にものを集めて、所有欲を満たすという行為は同じようなものなんですけどね。いや、所有欲を満たすために本を読んでいるわけでもないんですが。

たとえば、読み終わった本が本棚に並んでいるところを入ると、ある程度「所有欲」みたいなものは感じられなくもないですが、それはただ「所有欲」を満たすためだけのものではないことは、読書を趣味にしている人なら、理解できる感覚ではないでしょうか。あるいは、買ってはきたものの、まだ読んでいない積読本を眺めていても、それだけで「所有欲」を満たされはしない。

もちろん、レンズや万年筆やインクの「沼」にはまっている人からすれば、別に「所有欲」を満たすためだけに、それらのものを集めているわけでもないのでしょう。わたしだって、万年筆やインク、それに鉛筆を(ちょっと)集めているので、そのあたりの「所有欲」を満たすためだけに、ものを集めているわけではないという感じは理解できなくもない。

読書に関して言えば、集めるものがブックマーク(しおり)だったり、ブックカバーだったりすると、それ自体のコレクションをしている人にとっては、「ブックマーク沼(しおり沼)」や「ブックカバー沼」ということになるんでしょうけど、まあやっぱり、読書関係になるとあまり「沼」って感じはしないですね。なぜなのだろう。


今月はゴールデンウィークが明けてから、ちょっと忙しかったもので、更新がなかなか滞ってしまいました。それでは、今月のまとめをどうぞ。

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