末近浩太『イスラーム主義』岩波新書。イスラーム主義や中東政治とは何かという基本を押さえながら、現代中東の混迷から「もう一つの近代」を模索していく本。読み進めていくに連れ、イスラーム主義や中東政治について、自分は実はまったく何も知らないことが明らかになっていくという読書体験をした。 pic.twitter.com/KUcGfUi24F
— のびゲートウェイ (@nobitter73) 2018年12月3日
ところでこの『イスラーム主義』では、アラブの春の失敗ののちに、世俗主義者がイスラーム主義者を「悪魔化」し、イスラーム主義者は自らを「自己犠牲化」する罠に落ちたとき、対話を通した合意形成を阻害したという指摘がなされている。
— のびゲートウェイ (@nobitter73) 2018年12月3日
つまり、世俗主義者とイスラーム主義者がそれぞれ、互いに互いを混乱の原因だ、加害者だと非難し、被害者意識を主張し合うだけの対立と混乱に陥ったのだが、本書では「政治の混乱の原因を立ち止まって自己反省的に点検することなく、それぞれ相手に負わせるような硬直した姿勢を生み出した」のだと。
— のびゲートウェイ (@nobitter73) 2018年12月3日
そういうふうに相手が加害者だと非難して、被害者意識を肥大させる一方、自己を省みることなく混乱と対立が深まるという点は、現代中東に特殊な現象ではなく、ポピュリズムや極右勢力が台頭する欧米諸国や日本でも普遍性を持った話ではないかと思った次第。
— のびゲートウェイ (@nobitter73) 2018年12月3日
イスラーム主義や中東政治が直面している混乱や混迷の表層を見ていると、我々とは違う場所で我々とは違う人々が起こしていると思ってしまうが、それらは実はイスラームに特殊な現象ではなく、根っこには欧米諸国や日本と同じものが潜んでいるのではないかと、本書を読んで思ったわけです。以上。
— のびゲートウェイ (@nobitter73) 2018年12月3日
参考リンク
1)岩波書店/末近浩太『イスラーム主義』
www.iwanami.co.jp
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