誤読と曲解の読書日記

読書の感想を書く日記です。あと、文具についても時々。

『オズ』や『アリス』が怖い理由/『誤読と曲解の読書日記』2017年11月のまとめ

『オズ』や『アリス』が怖い理由/『誤読と曲解の読書日記』2017年11月のまとめ:目次

4ヶ月ぶり(!)の今月のまとめ

4ヶ月ぶり(!)の今月のまとめです。
8月下旬から10月にかけて、個人的に少々多忙だったためです……。
ようやくブログを書く余裕が出てきたので、またブログを再開します。

オズの魔法使い』や『不思議の国のアリス』が怖い

わたしは『オズの魔法使い』や『不思議の国のアリス』に怖いイメージを持っています。

なぜ『アリス』や『オズ』に怖いイメージを抱いているのかという理由なんですが、ひょんなことから子どもが奇妙な異世界へ迷い込んでしまうからというのが大きいかもしれない。そもそも不可抗力で異世界に巻き込まれたのに、なんでそこから元の世界に戻るのに試練を乗り越えなきゃいけないのかという疑問も湧く。

子どもが成長するにつれて、現実の世界でも突然、不可抗力ともいえるような不条理な状況に直面したら、なんとか自力で試練を乗り越えないといけないみたいな状況に陥ることは起こるので、ある意味では生きているうちにはそういう不条理な状況に突然巻き込まれる場合があるというのを、子どものうちから教える意味もあるのだろう。

子どもにとっては、草むらの穴に転がり落ちたら訳のわからない世界だったとか、竜巻に家ごと巻き込まれて遠くへ飛ばされてしまうなんて恐ろしい状況です。親だって兄弟だって友達だって存在しない世界です。ある意味ゼロから自分を立ち上げて直面した試練を乗り越えなきゃいけないのは、大人でもつらいことです。

だから、『オズ』や『アリス』に怖いイメージを抱いているのは、わけのわからない奇妙な世界に迷い込んで、そこで数々の試練を乗り越えるなんて、まず自分には無理だなと感じたというのが大きい気がします。とにかく自分には、仲間をつくりながら黄色いレンガの道をたどってエメラルドシティなんかに行けるわけない、みたいな諦めを抱いたような記憶があります。

それに加え、『オズの魔法使い』が怖い理由は、まずはじめに子どもの頃に見た映画の影響ではないかと思います。『オズの魔法使い』自体、いくつかのバージョンの映画が存在しますが、子どもの頃のわたしが観たのは実写映画でした。きっと、人間が演じているわらのかかしやブリキの木こり、そして臆病なライオンがあまりに生々しい人間的な雰囲気をまとっていたので、そこが怖かったのだろうと思います。

さて、試練を乗り越えるのは自分には無理だなと思ったのは、『アリス』の映画(ディズニー版のアニメ)を観たときも同じで、心ときめくみたいな感じは抱きませんでした。なぜかそれらの映画を観ながらも、ワクワクしたとかそういう心躍るようなことはなく、ああいやだ、こんなわけのわからない世界はいやだとしか思ってなかった記憶があります。繰り返しになりますが、自分にはこんな冒険や試練を乗り越える自信がないと思ってたのが大きいのだと思います。

そういうわけで、なぜ今さら『オズの魔法使い』を読んでみようと思い立ったのか短く説明すると、先日『シン・ゴジラ』のテレビ放映があって、そこで怪獣映画が怖いからゴジラシリーズの映画をまともに観たことがないという話から、そう言えば『オズの魔法使い』や『不思議の国のアリス』も怖いイメージが自分にまとわりついているとことを思い出したので、それでまずは『オズ』や『アリス』に触れてみようと思い立ったわけですね。

それで、今月はまず『オズの魔法使い』を読んだ感想も書いています。

『誤読と曲解の読書日記』今月のまとめ

2017年11月に更新した『誤読と曲解の読書日記』記事は3本でした。

11月9日更新:『至上の愛』のさらにその先にあるもの/藤岡靖洋『コルトレーン ジャズの殉教者』岩波新書
記事リンク:http://nobitter73.hatenadiary.jp/entry/2017/11/09/210000

藤岡靖洋『コルトレーン ジャズの殉教者』岩波新書は、ジャズミュージシャンのジョン・コルトレーンの生い立ちから死去までの生涯を描く。この本はコルトレーンの生涯を通じてジャズという音楽の小史を知ることができる。またコルトレーンの周囲のミュージシャンたちとの関わりを通じて、彼の音楽についてより深く知ることができる。この本を読み終わったあと、いっぱしの”コルトレーン通”を自称できるかもしれないと高揚感に包まれる一冊である。


11月19日更新:愛憎と戦争とおっぱいとトラクター/藤原辰史『トラクターの世界史 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち』中公新書
記事リンク:http://nobitter73.hatenadiary.jp/entry/2017/11/19/210000

藤原辰史『トラクターの世界史 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち』中公新書は、サブタイトルにもあるとおり、トラクターを<人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち>と位置づけ、トラクターの登場と発展が人類の歴史をどのように変えていったのかを描く。

『トラクターの世界史』は、トラクターの誕生から今日に至るまでの人類との関わりを描き出し、これからの未来社会における立ち位置までをも展望する意欲作だ。トラクターに興味のない人でも、トラクターの歴史を通してさまざまな示唆や発見が得られるだろう。


11月26日更新:嘘やぺてんのない、真摯でやさしい言葉にあふれた物語/ライマン・フランク・ボーム(河野万里子訳)『オズの魔法使い新潮文庫
記事リンク:http://nobitter73.hatenadiary.jp/entry/2017/11/26/210000

オズの魔法使い』は、言わずと知れた児童文学の古典である。この物語は、もともとが作者のライマン・フランク・ボームが自分の息子たちに聞かせるために作った物語なので、全編を通じて父親が自分の小さな子どもを守るかのような親密で庇護的な、言うなればやさしくあたたかい雰囲気が底流に流れている。


それぞれの記事には、出版社ホームページとブクログへのリンクがあります。

『誤読と曲解の映画日記』今月のまとめ

『誤読と曲解の映画日記』は、管理人の”のび”が運営する、映画の感想を書くブログです。ご興味がありましたら、ぜひご笑覧ください。2017年11月に更新した『誤解と曲解の映画日記』の記事は2本でした。

11月11日更新:たとえ逃げ道を見つけ出したとしても/『ブラック・スワン
記事リンク:http://nobitter73.hatenablog.com/entry/20171111/1510401600

映画『ブラック・スワン』は、ニューヨークのバレエ団に所属するバレリーナが主人公の物語。バレリーナの主人公ニナが「白鳥の湖」の主演に抜擢されるが、プレッシャーのあまり狂気に侵されていくさまを描く。重苦しく胸が締め付けられる、救いようのない物語。


11月25日更新:もっと未来が見通せたら/『マジック・イン・ムーンライト
記事リンク:http://nobitter73.hatenablog.com/entry/20171125/1511611200

映画『マジック・イン・ムーンライト』は、天才マジシャンとインチキ霊能力者の物語。有名なマジシャンが自称霊能力者のインチキを見破るという定型的とも言えるような物語で、世界を揺るがすような大事件などは起こらない小粒な印象の物語。けれども、登場人物たちのかたくなな心が魔法にかけられたようにやわらかに溶けていく様子を描く。


それぞれの記事には、yahoo!映画と映画.com、そしてFilmarksへのリンクがあります。あらすじなどの参考にどうぞ。

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