誤読と曲解の読書日記

読書の感想を書く日記です。あと、文具についても時々。

雨宿り/2017年6月のまとめ

『誤読と曲解の読書日記』/2017年6月のまとめ:目次

雨宿り

わたしの住んでいる地域はとっくに梅雨入りして、毎日のように雨が続いています。
梅雨入りした直後からは、ほとんど雨が降らなかったので、今年は空梅雨になるのかなあと思っていた矢先に、連日のように雨が降り続くようになりました。

そういえば、芥川龍之介の『羅生門』では、下人が雨宿りしてるところからはじまる話ですが、最近は雨宿りする機会はあまりないことを思い出しました。

わたしはわりと用心深いので、天気予報はこまめにチェックするタイプです。だから、天気予報が発達して、朝の天気を見ればだいたい帰るころには雨が降るなあという時には、傘を必ず持って行きます。また、天気予報のアプリを使えば、今どこにどのくらいの強さの雨が降っているという情報や、今いるこの場所に、あと何時間後に雨が降り出すかという情報を瞬時に手に入れることができますね。

だから、あらかじめ傘を用意することもできるし、雨をやり過ごすこと(広い意味では、これも雨宿りかもしれませんが)もできるのですが、うっかり傘を持たずに出かけたまま、急な激しい雨に遭遇して、これはちょっと雨宿りしてやり過ごさないといけないなあと、どこかのお店の軒先に駆け込んだとき、たまたま同じように雨宿りするために駆け込んだ素敵な人と知り合いに…...、みたいな展開は、やっぱり漫画の中だけの世界ですね。

あるいは、『羅生門』のように雨宿りしているときに、死んだ人の髪の毛を抜くような老婆に会うと、やっぱりちょっとぎょっとしますね。


それでは、『誤読と曲解の読書日記』今月のまとめをどうぞ。

『誤読と曲解の読書日記』今月のまとめ

2017年6月に更新した『誤読と曲解の読書日記』記事は4本でした。

6月12日更新:果たしてこれが「家飲み」と言えるのか/今週のお題「家飲み」
記事リンク:http://nobitter73.hatenadiary.jp/entry/2017/06/12/200000

この記事は、はてなブログの「今週のお題」に参加したものです。「家飲み」をするつもりはなかったけれども、あとから振り返ると、これは「家飲み」と呼べるものだったのかもしれない、という顛末を書いたものです。


6月14日更新:わたしたちの意思が適切に反映されるための方策を探る一冊/坂井豊貴『多数決を疑う 社会的選択理論とは何か』岩波新書
記事リンク:http://nobitter73.hatenadiary.jp/entry/2017/06/14/200000

本書を読み進めていくうちに、わたしたちが自明のものとしている多数決なるものが、絶対的に正しいものではないことが明らかになってゆく。その過程を眺めているうちに、わたしたちが依って立つ世界の根幹が、グラグラと崩れてゆくようにさえ思えてくる。民主主義とは何か、多数決とは何か、と考えるための一冊。


6月16日更新:半分しかなかった世界の、もう半分を取り戻すために/エーリヒ・ケストナー池田香代子訳)『ふたりのロッテ岩波少年文庫
記事リンク:http://nobitter73.hatenadiary.jp/entry/2017/06/16/200000

この物語で描かれているのは、むしろ大人の側の変化である。あるいはその「変化」を「成長」と言い換えてもいいだろう。ルイーゼとロッテがそっくり入れ替わったことに気づかなかった両親。

そんな両親は、はじめのうち、自分たちの娘の微妙な「変化」に少しずつ気づき、その「変化」を「成長」ととらえる。そのような娘たちの「成長」が、やがて両親それぞれの「成長」につながってゆくのが、この物語の大きなひとつの見どころでもある。


6月24日更新:わたしたちの内部にひそかに息づく物語をめぐる考察/小川洋子河合隼雄『生きるとは、自分の物語をつくること』新潮文庫
記事リンク:http://nobitter73.hatenadiary.jp/entry/2017/06/24/200000

作家の小川洋子氏と臨床心理学者で文化庁長官を務めた河合隼雄氏との対談をまとめたもの。個人の内部にひそかに息づく物語を、わたしたちはどうとらえるかということを考えてゆく。

本書に出てくるキャッチボールのたとえは、ひとつの「物語」のとらえ方だとも言える。わたしたちはひとりで生きてゆくわけではなく、生きてゆく上では他者との関わり合いの中で自分というものが作られてゆくからだ。

そうした他者との関わりの中では、どうしても「矛盾」するものが出てくる。けれども、その「矛盾」との折り合いのつけ方こそが「個性」であり、「矛盾」に折り合いをつけながら、どう生きたかが「物語」なのだという見方が示される。その「矛盾」との関わり方もまた、わたしたちの人生を考え、生きてゆくときの補助線のように参考になるだろう。


それぞれの記事には、出版社ホームページとブクログへのリンクがあります。

『誤読と曲解の映画日記』今月のまとめ

『誤読と曲解の映画日記』は、管理人の”のび”が運営する、映画の感想を書くブログです。ご興味がありましたら、ぜひご笑覧ください。2017年6月に更新した『誤解と曲解の映画日記』の記事は3本でした。


6月4日更新:飛び出す映画についてのエトセトラ
記事リンク:http://nobitter73.hatenablog.com/entry/20170604/1496545200

最近、VRや3D映画の話題を耳にすることがありますが、子どもの頃に原始的な方法で立体映画を見たことを覚えている、という記事です。


6月10日更新:どこまでも居心地が悪く、その不安定さに苛立つ物語/『マーゴット・ウェディング』
記事リンク:http://nobitter73.hatenablog.com/entry/20170610/1497092400

映画『マーゴット・ウェディング』は、姉妹の確執を描いた物語。全編を通じて、どこまでも居心地が悪く、その不安定さに苛立つ物語とも言える。

子どもたちやマルコムの前では、ふたりとも過去の確執にとらわれずに仲良い姉妹として振る舞うが、隠し切れない互いへの不信感を抱えていて、その不健全な感情が物語の端々で顔を出してしまう。だから、わたしたちはこの物語を観ている間は終始、苛立ちや不安定さにさらされ、そのせいで常に居心地の悪さを感じるのだろう。


6月24日更新:何かが浄化されてゆく過程を描く物語/『アパートの鍵貸します
記事リンク:http://nobitter73.hatenablog.com/entry/20170624/1498302000

映画『アパートの鍵貸します』を一言で言い表すとするなら、純愛と人間性を取り戻す物語だと言えるだろう。ゆがんだ不健全な世界にバクスターはいたのだが、バクスターが恋するフランへの純愛に基づいた思いによって、少しずつ清められていく過程を、この物語は描いていると言えるかもしれない。物語が終わったあとには、一年が終わり、新しい年を迎えるときの清冽な気持ちを抱くかのような、何かが浄化されたような、そんな気持ちさえ抱くのだ。


それぞれの記事には、yahoo!映画と映画.com、そしてFilmarksへのリンクがあります。あらすじなどの参考にどうぞ。

管理人からのお知らせ:Amazonほしい物リスト

このブログでは、Amazonほしい物リストを公開しておりますが、このたび、みなさまから本を送っていただきましたことを、ここで改めてご報告いたします。

Amazonほしい物リストのシステム上、お送りいただいた方のお名前などは、まったくわかりませんので、この場を借りまして改めて厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。

みなさまにお送りいたしました、それぞれの本のお礼とご報告は、下記のリンクに書いております。

6月4日更新:【お礼とご報告】ほしい物リストから本が届きました
記事リンク:http://nobitter73.hatenadiary.jp/entry/2017/06/04/120000
この日の記事は、堀内一史『アメリカと宗教 保守化と政治化のゆくえ』中公新書を、お送りいただいたお礼とご報告です。

6月14日更新:【お礼とご報告】ほしい物リストから本が届きました
記事リンク:http://nobitter73.hatenadiary.jp/entry/2017/06/14/210000
この日の記事は、小川洋子河合隼雄『生きるとは、自分の物語をつくること』新潮文庫を、お送りいただいたお礼とご報告です。


さて改めて、Amazonほしい物リストの紹介です。
私事で恐縮ですが、来月7月はわたしの誕生月となっております(さりげないアピール)。
このブログともども、ほしい物リストもよろしくお願いいたします。

読書&映画日記管理人のびのほしい物リスト
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