誤読と曲解の読書日記

読書の感想を書く日記です。あと、文具についても時々。

鉛筆を使う楽しみが広がる鉛筆補助軸という道具

大人になって手に取った機能的な道具

当たり前のことだが、鉛筆は軸と芯を少しずつ削りながら使うので、やがて筆記が難しくなるほど軸が短くなる。そんなときに活躍するのが鉛筆補助軸だ。

この鉛筆補助軸は軸が短くなってしまった鉛筆を差して使う。これにより、鉛筆の軸のかなり後ろの方まで使うことを可能にする文房具。どちらかといえば、多種多様な文房具の中では、マイナーな位置付けにある文房具だろう。

これまで何度か書いたように、鉛筆を使うようになったきっかけは掃除のときに子どもの頃に使っていた鉛筆を見つけたことだ。子どもの頃、鉛筆補助軸の存在は知っていたものの、自分では使っていなかったこともあって、今頃になって使いかけのままの中途半端な長さの鉛筆が多量に出てきた。

それをそのまま捨てるのも放ったらかしにしておくのも、もったいないということで短い鉛筆を使っていたのだが、今度はそれがさらに短くなり、鉛筆だけを持つのでは筆記も難しくなってきた。そこで思い出したのが鉛筆補助軸。

鉛筆補助軸を使いはじめて一番良かったのは、鉛筆をかなり最後の方まで使いきることができるようになったこと。

鉛筆は使い始めと比べて、半分よりも短い長さになると、どうしてもそれだけでは人間の手だけでは筆記のために握るのが難しくなる。鉛筆は指先で握るだけでなく、親指と人差し指の間の、ひらがなの「つ」のような形の大きなカーブのところに軸を固定させて使用するから、そこに鉛筆の軸が来ないと、どうしても鉛筆は安定せずに筆記も途端に難しくなる。

それで、鉛筆補助軸を使っていなかった子どもの頃のわたしは、鉛筆がある程度短くなるとそのままそれを使うことなく、新しい長い鉛筆を使い始めていたのだろう。思えばたいへんもったいないことをしていたけしからん子どもだった。

大人になって鉛筆補助軸を手に取るようになって、短いままほったらかしておいた鉛筆もまた使うことができるようになった。こんな機能的な道具が世の中にあったのかと改めて気づいた。

ところで、鉛筆補助軸は筆記の際のみならず、鉛筆を削るときの補助の道具としても使うことができる。

わたしが鉛筆を削るとき、手に鉛筆を持ってぐるぐると回す方式の鉛筆削りを使っている。その鉛筆削りでも削るのが難しいほどに短くなった鉛筆を補助軸に差して固定し、その鉛筆の芯の先をカッターナイフで削るというわけだ。そのように使っていくと、最終的には長さが2、3センチ程度になるまで鉛筆を使うことができる。

それだけでも実に鉛筆補助軸を手にとって良かったと思える瞬間である。鉛筆だって中途半端な長さでほったらかされてしまうよりも、その使命をまっとうしたいはずだ。

※本当は、さらにそこから芯を取り出して使うこともできるし、あるいは短くなった鉛筆を連結して使う鉛筆削りまで最近では出てきているが、ここでは割愛。

コレクションする楽しみ

さて、鉛筆補助軸といっても、その種類はさまざまだ。日本製や外国製、価格も100円程度のものから数千円のものまで、実に多種多様な世界が広がっている。いろいろな種類の鉛筆補助軸をいくつか集めた。これもすべて、鉛筆を無駄なく使うための努力だ。

わたしが今、いちばん使っているものは、ステッドラー製のペンシルホルダー。限定色のミッドナイトブルーと標準のシルバーを1本ずつ使用している。

このステッドラー製のペンシルホルダー、実にしっかりと鉛筆を挟み込んで、補助軸部分に差し込んだ鉛筆がぐらつくことなく、安定感を持って鉛筆で筆記できる。価格は1000円を超えるが、その価格以上の満足が得られる逸品だ。

他にも日本製や外国製の鉛筆補助軸をいくらか試したが、鉛筆がぐらつくことなく使用できるという一点で、このステッドラー製に落ち着いているところだ。

たとえば、日本製の鉛筆補助軸に特有だが、その内部構造のせいで鉛筆を挟み込む部分が小さく、それでいて鉛筆の軸を包み込む空間が大きいせいか、使用する途中で持ち直したりすると、時おり補助軸に挟んだ鉛筆が不安定にぐらつくものもある。

このぐらつき、使用する上ではまったく問題はないのだが、気になる人は気になって仕方ないだろう。このあたり、改善の余地はありそうだが、そもそも鉛筆や鉛筆補助軸を使う人が減っている中では大きな技術的革新は望めそうもない。願わくば、このあたりの改善が図られると、鉛筆全体の使用量も増えるかもしれないというのは大きな夢を見すぎだろうか。


とにかく、鉛筆補助軸自体は、実はさまざまな種類があって、コレクションする楽しみもある。鉛筆補助軸は、鉛筆を使う楽しみが広がる道具のひとつだ。


このブログ主のtwitterのアカウントは、nobitter73です。