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誤読と曲解の読書日記

読書の感想を書く日記です。あと、文具についても時々。

今年のノーベル文学賞/2016年10月のまとめ

ボブ・ディランに2016年のノーベル文学賞

先日、今年のノーベル文学賞が発表になりました。ご存知のとおり、ボブ・ディランが受賞しました。

ボブ・ディランさんにノーベル文学賞 音楽家・作詞家:朝日新聞デジタル http://www.asahi.com/articles/ASJBF5VGVJBFUCLV01H.html

この記事によると、アメリカ人のノーベル文学賞受賞者は1993年のトニ・モリスン以来、11人目だということです。

ノーベル文学賞にミュージシャン?」と、お思いの方もいると思いますが、ノーベル文学賞は小説だけではなく、戯曲(例:ジョージ・バーナードショーなど)や哲学(例:バートランド・ラッセルなど)や伝記(例:ウィンストン・チャーチル)、そして詩(例:パブロ・ネルーダなど)にいたるまで、執筆に関わる幅広い分野を対象にしているので、個人的にはさほど違和感は抱きませんでいた。

だから、ボブ・ディランも詩人のひとりとして、充分ノーベル文学賞を受賞するにふさわしいのではないでしょうか。

互いにリスペクトをとった言動が好感を持てる

はじめ、ボブ・ディランは、ノーベル賞委員会と連絡がつかずに、ノーベル賞委員会の委員が、彼を「無礼だ」と言ったという報道もなされました。

「ディラン氏は無礼で傲慢だ。でも…」 ノーベル委員長:朝日新聞デジタル http://www.asahi.com/articles/ASJBQ5KBCJBQUHBI012.html


が、よく記事を読んでみると、このノーベル委員も、それなりのリスペクトを持って、ボブ・ディランに言及していたことがわかります。


また、ボブ・ディランの側もようやくノーベル賞委員会に連絡を取った、との記事がありました。

ボブ・ディラン氏、ノーベル賞沈黙は「言葉失っていた」:朝日新聞デジタル http://www.asahi.com/articles/ASJBY31LNJBYUHBI00J.html


なぜ、ノーベル賞委員会へ連絡が遅れたのかと聞かれると、「あまりのことに言葉を失っていた」と答えたそうです。

わたしたちは、いちいちノーベル賞委員やボブ・ディランの言葉を、揚げ足取り気味に切り取って、ああだこうだと適当なことを言ったりしますが、当事者同士はなんてことない、互いにリスペクトをとった言動をしていて、好感が持てるなあと思った次第です。
Folk music abstract

『誤読と曲解の読書日記』今月のまとめ

2016年10月に更新した『誤読と曲解の読書日記』記事は3本でした。

10月3日更新:伊東マンショ肖像画遠藤周作『王の挽歌』(上下巻)新潮文庫
記事リンク:http://nobitter73.hatenadiary.jp/entry/2016/10/03/220052

これは宮崎県立美術館で開かれていた伊東マンショ肖像画公開に行ったときの日記。遠藤周作のことにも言及しています。伊東マンショは、天正遣欧使節団のリーダーを務めた少年。豊後の大名だった大友宗麟の遠縁にあたる。


10月21日更新:不完全で儚い存在/河合祥一郎シェイクスピア 人生劇場の達人』中公新書
記事リンク:http://nobitter73.hatenadiary.jp/entry/2016/10/21/200000

本書はシェイクスピアの描いた戯曲の読み方のコツやテクニックを直接的に解説するわけではない。けれども、読み終わったあとにはシェイクスピアの戯曲に描かれた世界が、より豊かにぐんと広がって見えるはずだ。

本書を通じて、シェイクスピアの戯曲の背景を支える彼の哲学や問題意識が、今の時代を生きるわたしたちにも切実に迫ってくる。本書はシェイクスピアの世界をより深く、より豊かに理解できる一冊だと言えるだろう。


10月28日更新:一生抱えていかざるを得ない痛み/ジェイムズ・ディッキー(酒本雅之訳)『救い出される』新潮文庫(村上柴田翻訳堂)
記事リンク:http://nobitter73.hatenadiary.jp/entry/2016/10/28/200000

男たちが川下りの途中で陵辱と暴力にさらされ、そこから逃れる物語。悪から逃れて生き延びるため、男たちは悪を犯さざるを得なくなる。生き残り、逃げのびて、救い出されるために、人間を殺さなければならなかった。そのあたりの切実さ、切迫感、緊迫感が、物語の先を読ませる推進力になっている。

読後感はさわやかなものではない。むしろ、自分の身体の奥深いところでずきずきとうずくような痛みを感じるかのようだ。おそらくはそんな痛みを、主人公の「ぼく」と仲間たちは、一生抱えて生きていくのだろう。その痛みは、心の奥底に居ついた川となって、一生流れ続けるのだ。


それぞれの記事には、それぞれの本について、出版社ホームページとブクログへのリンクがあります。

『誤読と曲解の映画日記』今月のまとめ

『誤読と曲解の映画日記』は、管理人の”のび”が運営する、映画の感想を書くブログです。ご興味がありましたら、ぜひご笑覧ください。2016年10月に更新した記事は3本でした。


10月1日更新:うぉぉぉ!!! ウ◯コまみれのトイレきたねぇぇぇ!!!/『トレインスポッティング
記事リンク:http://nobitter73.hatenablog.com/entry/20161001/1475319600

ヘロイン中毒の青年マーク・レントンが、クスリを立って新しい人生を切り開こうと奮闘する姿を描く物語。もちろん、薬物を断つのは一筋縄ではいかないので、そこに苦闘があり葛藤がある。

”友達"と称して自分をダメにするような奴とは関係を断ち切らなきゃダメだ。そうでないと、一生をウ◯コまみれのトイレで過ごすことになるだろう。映画『トレインスポッティング』が、わたしたちにむかって叫ぶメッセージはそれだ。


10月15日更新:どんなに背伸びをしようとも/『おいしい生活
記事リンク:http://nobitter73.hatenablog.com/entry/20161015/1476529200

パッとしないコソ泥のレイと、その妻のフレンチーの物語。ふたりはコメディ的な銀行強盗計画から、ひょんなことで大金持ちになってしまう。人間にとって向上心や向学心、新しい知識を身につけることは大事だが、それは地に足のついたものでなければならないのかもしれない。どんなに背伸びをしようとも、けっきょく自分は身の丈にあった自分でしかない。そこから幸せを探し出すしかないことを描いている。


10月29日更新:歯ブラシとタバコとわずかな持ち物/『コントラクト・キラー』
記事リンク:http://nobitter73.hatenablog.com/entry/20161029/1477738800

人生に希望を見い出せなくなった主人公のアンリが自殺を決意し、殺し屋・”コントラクト・キラー"に自分を殺すことを依頼する。アンリが死を望んだ瞬間から、彼の運命は大きく方向を変えてゆく。緊迫感の中にあるずれたところが、いっそうおかしさをもたらす。

アンリがもともと持っていたずれや、アンリに関わる人々や状況の持つずれが少しずつ重なる。そのちょっとしたずれが重なり合い、つながることで、最後には主人公のアンリでさえも思っても見なかった地点へとたどり着く。


それぞれの記事には、yahoo!映画と映画.com、そしてFilmarksへのリンクがあります。あらすじなどの参考にどうぞ。


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