誤読と曲解の読書日記

読書の感想を書く日記です。あと、文具についても時々。

2Bの鉛筆という原点

「2Bの鉛筆は子どもが使うもの」という偏見

最近まで「2Bの鉛筆は子どもが使うもの」という偏見を持っていた。実際にそれは意味のない偏見に過ぎない。このブログのメモ書きや草稿は現在、三菱鉛筆製のユニの2Bで書いている。2Bの鉛筆の書きやすさに気づいたからだ。

わたしが小学校に入学した時買いそろえてもらった鉛筆の硬度は2Bだった(そう指定されていたから)。そして低学年の間は学校の指導もあって、2Bの鉛筆を使っていたと思う。

しかしその後、学年が上がるにつれ鉛筆の硬度はいつしかHBとなり、シャープペンシルを使うようになっても芯はHBを使い続けた。

マークシート式の試験の時、硬度がH、HB、Bの幅で指定されていたからだ。また、学校ぐるみで参加する明るい選挙啓発ポスターコンクールみたいなものの参加賞もHBの鉛筆だった。

そんなわけで、自分の中で「鉛筆の硬度のスタンダードはHB」という図式が出来上がり、「2Bの鉛筆は子どもが使うもの」という偏見が生まれたのだ。

けれども、HBの文字はどこかしら“薄い”感じを受けていた。そんな文字の薄さが気になり、心持ち文字を濃く書こうとするあまり筆圧が強くなっていった。それはボールペンを使うときも同様で、強い筆圧で書くというクセがついてしまった。

しかし筆圧が強いと、長時間の筆記、長文の筆記がつらくなってしまう。それで手書きから遠ざかっていた。

2Bの鉛筆が果たした役割の大きさ

その後、以前書いたように鉛筆を使った手書きの機会を増やしているうちに、2Bの鉛筆を使ってみようと思い立ち、その書きやすさに気づいた。筆圧を強くかけなくても、適度な濃さで長時間、長文を筆記できるのだ。そういった理由で、今は2Bの鉛筆を使っている。

よく考えてみれば、2Bの鉛筆は小学校に入学して本格的に学校の勉強を始めた時に、いつも使っていた鉛筆だ。あいうえおを習い、足し算や引き算を学び、ノートに覚えたことをひとつひとつ書いてゆくとき、常に手にしていたものだ。

そういう意味では、大人になった今の我々が仕事や日常生活で文章を書いたり、計算したりする行為の原点に、2Bの鉛筆は存在していたのだとも言えるのかもしれない。

そんな2Bの鉛筆が果たした役割の大きさに思いを馳せ、今日も鉛筆を使う。


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