誤読と曲解の読書日記

読書の感想を書く日記です。あと、文具についても時々。

読書日記

嵐が来る前にいたはずの場所には、もう二度と戻ることができないことを知る物語/ジョン・ニコルズ(村上春樹訳)『卵を産めない郭公』新潮文庫(村上柴田翻訳堂)

嵐が来る前にいたはずの場所には、もう二度と戻ることができないことを知る物語/ジョン・ニコルズ(村上春樹訳)『卵を産めない郭公』新潮文庫(村上柴田翻訳堂):目次 嵐が来る前にいたはずの場所には、もう二度と戻ることができないことを知る物語 孤独…

ひょっとすると、それは明日の日本の姿なのかもしれない/水島治郎『ポピュリズムとは何か 民主主義の敵か、改革の希望か』中公新書

ひょっとすると、それは明日の日本の姿なのかもしれない/水島治郎『ポピュリズムとは何か 民主主義の敵か、改革の希望か』中公新書:目次 ポリュリズムについて考えるための第一歩 ポピュリズムの持つ「解放と抑圧」 「リベラル」と「デモクラシー」を利用…

わたしたちの内部にひそかに息づく物語をめぐる考察/小川洋子・河合隼雄『生きるとは、自分の物語をつくること』新潮文庫

わたしたちの内部にひそかに息づく物語をめぐる考察/小川洋子・河合隼雄『生きるとは、自分の物語をつくること』新潮文庫:目次 個人の内部にひそかに息づく物語をどうとらえるか 「ピッチャー」と「キャッチャー」 矛盾を抱えながら生きること 物語の解釈 …

半分しかなかった世界の、もう半分を取り戻すために/E・ケストナー(池田香代子訳)『ふたりのロッテ』岩波少年文庫

半分しかなかった世界の、もう半分を取り戻すために/エーリヒ・ケストナー(池田香代子訳)『ふたりのロッテ』岩波少年文庫:目次 半分しかなかった世界の、もう半分を取り戻すために ルイーゼとロッテの両親について 大人になった今、この物語を読む意義 …

わたしたちの意思が適切に反映されるための方策を探る一冊/坂井豊貴『多数決を疑う 社会的選択理論とは何か』岩波新書

わたしたちの意思が適切に反映されるための方策を探る一冊/坂井豊貴『多数決を疑う 社会的選択理論とは何か』岩波新書:目次 人々の意思をよりよく集約できる選び方を探る 多数決なるものが、絶対的に正しいものではない 多数決に正当性を与えるために 憲法…

わたしたちの心の奥底まで見透かすグレアム・グリーンの目/グレアム・グリーン(小津次郎訳)『第三の男』ハヤカワepi文庫

わたしたちの心の奥底まで見透かすグレアム・グリーンの目/グレアム・グリーン(小津次郎訳)『第三の男』ハヤカワepi文庫:目次 人間の暗黒面を見つめる物語 無垢な存在としてのマーティンズ ウィーンの街という舞台 この物語について 参考リンク 人間の暗…

サスペンスと冒険、人として大切なことがいくつか/E・ケストナー(池田香代子訳)『エーミールと探偵たち』岩波少年文庫

サスペンスと冒険、人として大切なことがいくつか/E・ケストナー(池田香代子訳)『エーミールと探偵たち』岩波少年文庫:目次 サスペンスと友情と冒険、そして機転と勇気 お金の価値を知っているエーミール 不安が膨らむたくさんの想像 おばあさんの演説 …

ジャガイモが身近にある幸福/伊藤章治『ジャガイモの世界史 歴史を動かした「貧者のパン」』中公新書

ジャガイモが身近にある幸福/伊藤章治『ジャガイモの世界史 歴史を動かした「貧者のパン」』中公新書:目次 「貧者のパン」として世界を動かしたジャガイモ ジャガイモがあぶりだした社会構造 ドイツの市民農園 先人たちの苦闘の歴史 ジャガイモが普段の生…

誰かが誰かを思いやり、時に心を傷ませながらも、信頼する誰かのために動き回る/E・ケストナー(池田香代子訳)『飛ぶ教室』岩波少年文庫

誰かが誰かを思いやり、時に心を傷ませながらも、信頼する誰かのために動き回る/E・ケストナー(池田香代子訳)『飛ぶ教室』岩波少年文庫:目次 ギムナジウムの生徒たちに、かつて子どもだったわたしたちを重ねる マルティンの抱えているもの 孤独のままに…

ユーモアの中にある、人々の墓標を眺めるような物悲しさ/W・アーヴィング(齊藤昇訳)『ブレイスブリッジ邸』岩波文庫

ユーモアの中にある、人々の墓標を眺めるような物悲しさ/W・アーヴィング(齊藤昇訳)『ブレイスブリッジ邸』岩波文庫:目次 行間から滲み出る登場人物たちの心の機微 ユーモアの中に人生に対する寂寥感や諦観が顔を出す それほど洗練されていない、素朴な…

疑問を抱き、言葉にして問い続けること/国谷裕子『キャスターという仕事』岩波新書

疑問を抱き、言葉にして問い続けること/国谷裕子『キャスターという仕事』岩波新書:目次 テレビ報道の危うさや難しさを知り尽くしているからこそ 同調圧力に抗するために 「待つこと」と「沈黙すること」 ひとりのテレビ視聴者として 参考リンク 国谷裕子…

飛び跳ねる野心に跳び乗って、行き着くところまで駆け抜ける/W・シェイクスピア(福田恆存訳)『マクベス』新潮文庫

飛び跳ねる野心に跳び乗って、行き着くところまで駆け抜ける/W・シェイクスピア(福田恆存訳)『マクベス』新潮文庫:目次 飛び跳ねる野心に跳び乗って、行き着くところまで駆け抜ける きれいは穢い、穢いはきれい 鞍ごしに向う側に落ちるのが関の山 参考リ…

滑稽さと面白みの中にある物悲しさと薄ら寒さ/R・ラードナー(加島祥造訳)『アリバイ・アイク ラードナー傑作選』新潮文庫(村上柴田翻訳堂)

滑稽さと面白みの中にある物悲しさと薄ら寒さ/R・ラードナー(加島祥造訳)『アリバイ・アイク ラードナー傑作選』新潮文庫(村上柴田翻訳堂):目次 誰かが誰かに語りかける物語 実にアメリカ的な陽気な笑い 人間を噛みすてるような諷刺性 「ハーモニイ」…

あたたかなまなざしと、やさしさに満ちた愛情/J・ヒルトン(白石朗訳)『チップス先生、さようなら』新潮文庫

あたたかなまなざしと、やさしさに満ちた愛情/J・ヒルトン(白石朗訳)『チップス先生、さようなら』新潮文庫:目次 ユーモア精神とあたたかなまなざし 平凡な教師、チップス先生 人生を変えた出会い 爆撃のさなかの授業 『チップス先生、さようなら』 作者…

物足りなさと過剰さが同居する一冊/十川信介著『夏目漱石』岩波新書

物足りなさと過剰さが同居する一冊/十川信介著『夏目漱石』岩波新書:目次 評伝ではあるが…... 作品と生涯の関係 参考リンク 評伝ではあるが…... 十川信介著『夏目漱石』岩波新書。本書は、タイトルどおり、夏目漱石の生涯を描く評伝である。漱石の出生から…

悪魔的に危険な本/寺尾隆吉著『ラテンアメリカ文学入門』中公新書

悪魔的に危険な本/寺尾隆吉著『ラテンアメリカ文学入門』中公新書:目次 単なるブックガイドにとどまらない一冊 「批評版」の存在 悲観的な現状からの希望 参考リンク 単なるブックガイドにとどまらない一冊 寺尾隆吉著『ラテンアメリカ文学入門 ボルヘス、…

悪も滅び、善も滅んだ/W・シェイクスピア(福田恆存訳)『ハムレット』新潮文庫

「善に対する悪の勝利」なのか ウィリアム・シェイクスピアの『ハムレット』は、善に対する悪の勝利を描いた悲劇とひとまず位置付けられている。デンマーク王のクローディアスは、兄の先王ハムレットを殺して、その地位を簒奪した人物。のみならず、先王の妃…

緩慢で漸進的で迂回的であっても/渡辺将人『アメリカ政治の壁−利益と理念の狭間で』岩波新書

暗澹とした気分にさせられる一冊 2016年のアメリカ大統領選挙の本選挙では、事前の大半の予想を覆し、共和党のドナルド・トランプ氏が勝利した。政治経験のないトランプ氏は、既存の政治勢力から見ればアウトサイダーであり、彼の大統領としての手腕に期待と…

善い行いが光を与える/W・シェイクスピア(福田恆存訳)『ヴェニスの商人』新潮文庫

今も色あせない『ヴェニスの商人』 ウィリアム・シェイクスピアの『ヴェニスの商人』を、最近読み直した。たしかに面白い。先のストーリーが気になってページを早くめくりたくなる、というタイプの面白さがある。それに加え、善なるものや寛容を求める姿勢と…

一生抱えていかざるを得ない痛み/ジェイムズ・ディッキー(酒本雅之訳)『救い出される』新潮文庫(村上柴田翻訳堂)

一生抱えていかざるを得ない痛み ジェイムズ・ディッキーの『救い出される』は、男たちが川下りの途中で陵辱と暴力にさらされ、そこから逃れる物語だ。悪から逃れて生き延びるため、男たちは悪を犯さざるを得なくなる。生き残り、逃げのびて、救い出されるた…

不完全で儚い存在/河合祥一郎『シェイクスピア 人生劇場の達人』中公新書

戯曲を読むのが苦手 わたし自身、戯曲を読むのは苦手だ。なぜ苦手なのか、それを説明すると長くなりそうなので割愛するが、「地の文」でさまざまな説明や描写のある小説と比べて「ト書き」の情報しかない戯曲では、想像力がより必要とされるから、みたいなと…

伊東マンショ肖像画/遠藤周作『王の挽歌』(上下巻)新潮文庫

伊東マンショの肖像画 昨日の日曜日、宮崎県立美術館で公開されている、伊東マンショの肖像画を見に行った。今日は宮崎県立美術館で公開されている、伊東マンショの肖像画を見てきた。四百数十年の時を経てもなお、色褪せない肖像画を見ていると、伊東マンシ…

馬鹿のバイブル、爆笑の爆弾/フィリップ・ロス(中野好夫・常盤新平訳)『素晴らしいアメリカ野球』新潮文庫(村上柴田翻訳堂)

ナンセンスと悪ふざけの濁流にただ身を任せる 『素晴らしいアメリカ野球』は、アメリカの作家フィリップ・ロスが1973年に発表した長編小説。この物語は、本拠地を失くした架空の放浪球団ルパート・マンディーズを中心に、やはり架空の大リーグである愛国リー…

まるで悪夢を見るような虚構/S・ミルハウザー『エドウィン・マルハウス』河出文庫

読書を通じて悪い夢を見る スティーブン・ミルハウザー著 岸本佐知子訳『エドウィン・マルハウス あるアメリカ作家の生と死』河出文庫。本書はアメリカの作家スティーブン・ミルハウザーの長編小説第1作目。本書は「子供によって書かれた子供の伝記」(訳者…

中上健次やジャズを知らなくても/中上健次『路上のジャズ』中公文庫

ひりつくような青春時代の背景に流れていたジャズ 中上健次『路上のジャズ』中公文庫は、中上健次のジャズに関するエッセイを中心に、詩や短編小説を一冊にまとめたもの。また、巻末には、インタビューを収める。中上健次の青春時代が、いかにジャズに傾倒し…

夜の酒場のネオンサインのようなチープな輝き/チャールズ・ブコウスキー(柴田元幸訳)『パルプ』ちくま文庫

夜の酒場のネオンサインのようなチープな輝き チャールズ・ブコウスキー(柴田元幸訳)『パルプ』ちくま文庫。一般に、探偵の出てくるハードボイルド小説では、はじめに深刻な事件が起こり、探偵が解決に向けてあちこち動き回り、いくつかの紆余曲折を経なが…

消え去る気配のない雲と降り止まない様子の雨/トマス・ハーディ(河野一郎訳)『呪われた腕 ハーディ傑作選』新潮文庫

消え去る気配のない雲と降り止まない様子の雨 トマス・ハーディ(河野一郎訳)『呪われた腕 ハーディ傑作選』新潮文庫(村上柴田翻訳堂)。本書は19世紀イギリスの詩人で小説家トマス・ハーディの短編から8編を収めたもの。この短編集の多くが、運命のすれ違…

失われてしまったもの、欲しくても手に入らなかったもの/ウィリアム・サローヤン(柴田元幸訳)『僕の名はアラム』新潮文庫

読んでいて「いいなあ」と感じることのできる短編集 ウィリアム・サローヤン(柴田元幸訳)『僕の名はアラム』新潮文庫(村上柴田翻訳堂)に収められている14の短編はすべて、9歳のアラムという名の少年が主人公。子どもの目から見ると、世界には悪など存在…

かつて抱いたヒリヒリとした焦燥感/カーソン・マッカラーズ(村上春樹訳)『結婚式のメンバー』新潮文庫

気の触れた夏のできごと カーソン・マッカラーズ(村上春樹訳)『結婚式のメンバー』新潮文庫(村上柴田翻訳堂)。『結婚式のメンバー』は、フランキー・アダムスという名の12歳の少女の「緑色をした気の触れた夏のできごと」を描いた長編小説。フランキーは…

ブクログをはじめてみました

ブクログをはじめました 今更ながらブクログ( http://booklog.jp )をはじめてみました。ブクログというのは「web本棚サービス」。 つまり、読んだ本や積読本、あるいはこれから読みたいなという本を、web上に登録することができるサービス、ということです…

多弁な酔っ払いの、熱を帯びた言葉たち/チャールズ・ブコウスキー(中川五郎訳)『死をポケットに入れて』河出文庫

発熱する言葉 ひさびさにブコウスキーの『死をポケットに入れて』を手に取った。チャールズ・ブコウスキー著(中川五郎訳)『死をポケットに入れて』河出文庫。50年間愛用したタイプライターからMacのパソコンに変えて書いた日記調のエッセイ。生と死、詩と…

ゾラのみせる別の一面/エミール・ゾラ『水車小屋攻撃 他七篇』岩波文庫

軽々とした自由なゾラの筆致を味わう短篇集 エミール・ゾラ作 朝比奈弘治訳 『水車小屋攻撃 他七篇』岩波文庫。本書はエミール・ゾラの中篇、短篇、掌編小説を8作品収めたものである。エミール・ゾラというと、『居酒屋』や『ナナ』といった重厚で長大な小説…

知恵と教訓を読みなおし、できる限りの手を差し伸べよう/磯田道史『天災から日本史を読み直す』中公新書

磯田道史著『天災から日本史を読みなおす 先人に学ぶ防災』中公新書。日本は昔から、地震・津波・噴火・台風・土砂災害といった自然災害=《天災》に数多く見舞われてきた。いにしえの人々は、さまざまな《天災》に遭い、被災しながらも、後世の人々に警鐘を…

漱石が100年後を眺めたら/夏目漱石『余と万年筆』青空文庫

漱石と万年筆 夏目漱石『余と万年筆』。これは夏目漱石が自分の万年筆について書いた短いエッセイ。1912(明治45)年6月に発表したものなので、ゆうに100年前の文章である。漱石は、それまで使っていたペリカン製の万年筆と険悪な関係であったが、そのペリカ…

フランスの歴史の手引書として/柴田三千雄『フランス史10講』岩波新書

フランスの歴史をコンパクトにまとめた通史 わたしはフランスの歴史について、ほぼ何も知らない。まったく何も知らないと言っていいだろう。もちろん、学校ではひととおりの歴史は習ったので、その歴史の中に出てくるフランスの歴史的な出来事や人物は、「学…

たとえ敗北が運命付けられていたとしても/アーネスト・ヘミングウェイ『老人と海』新潮文庫

ヘミングウェイのたどり着いたひとつの頂点 アーネスト・ヘミングウェイの『老人と海』(福田恆存訳/新潮文庫)を久々に読んだ。短い物語だから、多くの人々が一度は手に取ったことのある作品だろう。『老人と海』のストーリーを簡単に説明すると、老いた漁…

中世の王侯貴族と我々は、ある意味で地続きなのだ〜『お菓子でたどるフランス史』

池上俊一著『お菓子でたどるフランス史』岩波ジュニア新書。フランスのことなど何も知らないなと思い、まず手始めに読み始めたのが本書。 単に政治や経済の移り変わりをたどるだけでは味気ないので、歴史を「お菓子」という軸から眺めると、違った見方もでき…

我々のすぐそばにある異世界〜バリー・ユアグロー『セックスの哀しみ』

バリー・ユアグロー著 柴田元幸訳『セックスの哀しみ』白水uブックス。本書は恋愛をテーマにした連作短編集。短いものは1ページにも満たない作品もある。そのひとつひとつが、不思議な夢を見て目覚めたあとのような読後感を与える。

国際的なゲームのルールを理解すること〜浅羽祐樹著『韓国化する日本、日本化する韓国』

浅羽祐樹著『韓国化する日本、日本化する韓国』講談社。本書は単に時事的トピックを織り交ぜた日韓関係の論説にとどまらず、本書の帯にある「世界標準の思考法」を紹介する本でもある。「世界標準の思考法」とは、本書で絶えず触れられる、国際的なゲームの…

読書ならではの一種のけだるい喜び〜ボルヘス『幻獣辞典』

【最近の読書から】ホルヘ・ルイス・ボルヘス著 柳瀬尚紀訳 『幻獣辞典』河出文庫。カバーの表紙にも幻獣たちの姿が所狭しとひしめく。 本文を読みながら、これは表紙に描かれたあの幻獣だろうかと思いを巡らせるだけでも楽しい。

トルストイ民話集を読んで、心の洗濯

【最近の読書から】中村白葉訳『トルストイ民話集 人はなんで生きるか 他四編』岩波文庫。 中村白葉訳『トルストイ民話集 イワンのばか 他八編』岩波文庫。トルストイ民話集『人はなんで生きるか』『イワンのばか』に収められた作品は、主に1885〜1886年頃、…

人間と機械との豊かで幸福な結びつき/ポール・オースター著『わがタイプライターの物語』新潮社

タイプライターといえば、かつてこの世に存在した歴史上の機械とのイメージを持っていた。たとえば古い映画やテレビドラマでは状況説明の小道具としてタイプライターが登場する。白、あるいは黒一色の画面にガチャガチャとキーを叩く効果音が流れはじめ、「1…

終着点としての駅、出発地としての駅:『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』感想

村上春樹『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』文藝春秋 『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』という長いタイトルは、この本の内容を表したもので、この本は主人公、多崎つくるの巡礼を描いたもの。

すべての藤子・F・不二雄ファンに読まれるべき本〜ドラえもんルーム編『藤子・F・不二雄の発想術』小学館新書

本書は、藤子・F・不二雄先生自身が書いたエッセイや、新聞・雑誌のインタビュー記事などがまとめられたものである。本書は『発想術』というタイトルが付けられているが、実際は『発想術』にとどまらない、藤子・F・不二雄先生の肉声を集めた本と言えるだろ…

辞書への敬意と愛情に満ちた物語〜三浦しをん『舟を編む』光文社

本書は出版社の辞書編集部に勤める主人公を中心に、新しい国語辞典が編まれてゆくまでの過程に関わる人々の思いを描き出す物語である。ひと口に辞書ができるまでと言っても、本書の中では十数年、あるいは数十年の年月が流れる。わたしたちが普段使う辞書は…

辞書という楽しみ〜増井元『辞書の仕事』岩波新書

本書を読んだ後では、辞書を引くことがより楽しく豊かなものになること間違いなしと言っても過言ではないだろう。辞書を使う目的は、言葉の意味や使い方を調べることだ。 しかし本書を読んだ後は、そのような実用的な使い方にとどまらず、辞書そのものを読む…

本は自分仕様にカスタマイズすればいいと思う

よく言われることだが、読書の魅力のひとつに、時代も国も立場も、そしてものの見方も考え方も異なる人々の世界を疑似体験することができる、ということが挙げられる。自分自身の経験や想像力は、ひどく限られたごく狭い範囲のものでしかない。自分が体験で…

どうせ読書するのなら、少しでも楽しく読書をしたい

小さい頃から読書は好きで、今も習慣というか日常生活の一部として読書を続けている。なぜ読書をするのか? と問われれば、「単に読書が楽しいからだ」、としか答えようがない。当たり前だが、「楽しいから習慣として続いている」ということだ。では、なぜ読…