誤読と曲解の読書日記

読書の感想を書く日記です。あと、文具についても時々。

「はっきり言って交尾がうまい」

ツイッターでバズったので、記録として貼り付けておこう。

続きを読む

自分の知らないことを知るために/『誤読と曲解の読書日記』2018年2月のまとめ

自分の知らないことを知るために/『誤読と曲解の読書日記』2018年2月のまとめ:目次

  • 自分の知らないことを知るために
  • 『誤読と曲解の読書日記』今月のまとめ
  • 『誤読と曲解の映画日記』今月のまとめ
  • 管理人からのお知らせ
    • 3月の更新は休みます

自分の知らないことを知るために

ピョンチャンオリンピックばかり観てました。
そういうわけで読書が進まなかった、というわけではなく、読書の方は普段どおりのペースで進んでいるんですが、なにしろオリンピックを観ていたので、ブログを書く時間が取れませんでした。

まあ、オリンピックを言い訳に使っただけですが。
日本選手が活躍してくれて良かったし、こんなにレベルが高い外国人選手がいるのかということに改めて気づいたオリンピックでした。

難を言えば、外国人選手の活躍やもっと様々な種目の魅力をもっと知りたいと思いましたが。外国のことや自分の知らない世界を知るには、小説や映画もいいですが、スポーツもまたいい機会となりますね。

それでは、今月のまとめをどうぞ。

続きを読む

【特別編】茶色いものの話/バルザック(石井晴一訳)『艶笑滑稽譚 第一輯』岩波文庫

【特別編】茶色いものの話/バルザック(石井晴一訳)『艶笑滑稽譚 第一輯』岩波文庫:目次

  • ルイ11世陛下のご遊楽
  • いかに平静を保てるか
  • こてこてと垂れ込める
  • 参考リンク

今回は特別編です。
バレンタインデーにふさわしい茶色いものの話です。

ルイ11世陛下のご遊楽


※以下、ネタバレ的な要素が含まれています。

続きを読む

シャーロック・ホームズをすべて読み返してみようと思い立つの巻/『誤読と曲解の読書日記』2018年1月のまとめ

シャーロック・ホームズをすべて読み返してみようと思い立つの巻/『誤読と曲解の読書日記』2018年1月のまとめ:目次

  • シャーロック・ホームズのシリーズを読み返す
  • 子どもの頃に読んだものを読み返す
  • 『誤読と曲解の読書日記』今月のまとめ
  • 『誤読と曲解の映画日記』今月のまとめ
  • 管理人からのお知らせ/ほしい物リストから本が届きました

シャーロック・ホームズのシリーズを読み返す

この冬はとても寒いですねえ。わたしが住むのは九州の南の方ですが、それでもこの冬は今まで経験したことのない寒さに見舞われています。とにかく寒いし冷たい。春になるのが待ち遠しくてたまりません。

さて、寒い冬とは何の関係もありませんが、子どもの頃にシャーロック・ホームズのシリーズものにはまった人も多いのではないでしょうか。わたしはこの冬から、シャーロック・ホームズのシリーズをみんな読んでみようと思い立ち、電子書籍で読みはじめました。

それは、シャーロック・ホームズのシリーズの中で読んでいなかった話があったことに気づいたことが大きいのですが、内容をすっかり忘れてしまっている話もあったことに気づいたからです。

シャーロック・ホームズもワトスン博士も、ある程度の年齢を重ね、社会的な経験を積んだ大人ですし、そこで起こる犯罪もまた、むしろ大人になってから読んだ方が理解できそうな動機や理由が絡んでいるので、大人になって読み返しても面白くないわけがありません。

続きを読む

生きる上で欠かすことのできない物語/小川洋子『物語の役割』ちくまプリマー新書

生きる上で欠かすことのできない物語/小川洋子『物語の役割』ちくまプリマー新書:目次

  • 生きる上で欠かすことのできない物語
  • 誰もが日々日常生活の中で作り出していく物語
  • そんなものを自分が持っていたと気づいていないような落し物
  • 子どものうちに物語に触れる大切さ
  • 参考リンク

この記事は、Amazonほしい物リストから届いた本についての感想です。
改めまして、厚く御礼を申し上げます。
ありがとうございました。

生きる上で欠かすことのできない物語

小川洋子『物語の役割』ちくまプリマー新書

本書はタイトルにもあるとおり、作家の小川洋子氏が「物語の役割」について語ったことを、一冊の本にまとめたものだ。小説や児童文学といった物語の世界をより深く知るために、「物語に最も近い場所にいる人間」(本書p9)である作家自身が語った言葉を収めている。

物語とは何かということからはじまり、作家が世界を丹念に観察し、世界の観察から物語が作家の中でどのように紡がれていくかという小説の創作過程までをも、自身の子ども時代からの読書体験とともに率直に語っていく一冊となっている。

作者小川洋子氏が語るように、わたしたちは本書を読むと「ああ、本を読むことは何と素晴らしいことであろうか」(本書p8)と再確認でき、ますます物語の世界が愛おしく思え、さらには生きる上で欠かせないものなのだという思いを改めて抱くことができる。やっぱり物語の世界に触れ、どっぷりと浸ることは素晴らしい体験をすることであり、人間にとって素晴らしい行為であるなあと、わたしは本書のあちこちで共感できた。

本書で語られたことは小説を読む人ならば、その物語がなぜ人々の心を揺さぶり、感動させることができるのかという物語の役割を、共感を持って理解できるのではないだろうか。


※以下、ネタバレ的な要素が含まれています。

続きを読む